ハランからの脱出

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ハランからの脱出

ヤコブの報酬

ヨセフが生まれたとき、ヤコブはカナンに帰りたい旨をラバンに伝えますが、ラバンは報酬を与えるので、まだ滞在してほしいといいます。

神の祝福を受けたヤコブがいたからこそ、ラバンは裕福になったことを、占い師から聞いて知っていたからです。

ヤコブは、まだらや灰色の家畜(山羊と羊)を報酬としてもらうことを条件に、引続き、ラバンのもとで働くことを承知しました。その後、6年間ラバンのもとで働きます。ヤコブの家畜はどんどん増え、召使も大勢かかえるようになりました。そして、ヤコブもかなりの財産を持つことができました。

ヤコブが恵まれるようになると、ラバンの息子たちは嫉妬し、不平を言うようになります。ラバンの態度も変によそよそしくなってきました。


ヤコブの脱出

ヤコブが我慢の限界になった頃、神から「お前の先祖の国、カナンに帰れ」と啓示を受けます。そして、妻たち(ラケルとレア)にそのことを話すと、彼女たちもラバンに不満を抱いており、ヤコブがカナンへ帰ることに賛同します。

そして、ある日、ラバンは野原で羊の毛を刈っているとき、気が付かれないように、ヤコブは脱出します。妻と子、側妻、多くの財産を奪って、故郷のカナンに向かったのです。そのとき、ラケルは、父親の守り神(テラピム)を盗み出しました。こうして、カインたちは、ユーフラテス川を越え、ギルアデの地へ向かいました。

Jacob's Flight/ヤコブの脱出<br />1829 illustration by Julius Schnorr von Carolsfeld

Jacob's Flight/ヤコブの脱出
1829 illustration by Julius Schnorr von Carolsfeld


ラバンの追跡

ラバンは3日後にそのことを知り、男たち数名を連れて後を追いました。7日後にようやくヤコブたちが見えたときには、ギルアデの山地まで来ていました。その夜、ラバンは夢で神の啓示を受けます。「ことの良し悪しをヤコブと語らないように自制せよ」


ヤコブとラバンの契約

次の日、ラバンはヤコブに追いついたとき、に言いました。「こそこそと逃げ出すとは、いったいどういうことだね。しかも、わしの娘まで連れて。もし去りたいのならわたしは手鼓や琴で喜び歌ってあなたを送りだしたのに」と言って非難します。

ヤコブは言います。「この20年間、あなたのために働きました。14年間は二人の娘さんをいただくため、6年間は自分の群れを手に入れるため。しかもあなたは、報酬を十回も減らしたんです。しかし、神は何もかもご存じだった。あなたのひどい仕打ちも、私が一生懸命に働いたことも見ておられた。それで、昨晩あなたの夢に現れなさったのです。」

ラバンは昨晩の神からのお告げもあり、納得しました。そして、ヤコブとラバンは和平条約を結び、そのしるしとして、石を集め塚を築きました。その塚は「証拠の塚(エガル・サハドタ/ガルエデ)」と名付けられました。

The Heap of Witness/証拠の塚<br />Illustrators of the 1890 Holman Bible

The Heap of Witness/証拠の塚
Illustrators of the 1890 Holman Bible

その後、お互いにこの線を越えて攻撃をしかけたりしないよう、神に誓いを立てました。

そして、その晩は一緒に食事をし、次の朝、ラバンは早々と起きて、娘たちと孫たちに別れのキスをして、引き返していきました。

Laban & Jacob make a covenant together/ラバンとヤコブの契約<br />Illustrators of the 1728 Figures de la Bible, Gerard Hoet and others

Laban & Jacob make a covenant together/ラバンとヤコブの契約
Illustrators of the 1728 Figures de la Bible, Gerard Hoet and others