聖書と歴史の学習館

人生は航海のごとし人はなぜ不幸になるのか

今の社会には、詐欺と呼ばれる犯罪が増えています。振り込め詐欺、保険金詐欺、結婚詐欺、募金詐欺、フィッシング詐欺、オークション詐欺など、枚挙に暇がありません。人を騙して、不安や錯誤に陥れ、金品を奪ってしまうのです。 最近では、組織的に詐欺行為を行い、知らない間に契約させられ、お金を支払わせるという手口も増えているようです。

人生は航海のごとし

「人生は航海のごとし」といわれるように、人の一生は航海に喩えられます。順風満帆のときもありますが、疾風怒濤に出会い、遭難したり、暗礁に乗り上げたり…人生は波乱万丈でさまざまなことに遭遇することを例えて表現した言葉です。

ここでは、視点を変えて、人生の過程ではなく、目的地(行き先)に焦点を当てて考えてみます。乗り物は船ではなく、旅客機にします。

旅客機に乗って目的地である「幸福」の地に向かいます。ところが到着してみると「不幸」の地でした。そこは、希望した目的地でないので、再び旅客機に乗って「幸福」に向かいます。しかし、到着した場所は「不幸」でした。そしてまた旅客機に乗って・・・。人生はこのようなことを繰り返しているのではないでしょうか。

私たちは騙されて人生を歩んでいる

なぜ、そのような愚かなことを繰り返しているのでしょうか。自分が誤って行き先の違う旅客機に乗ってしまったのでしょうか? そうなのかも知れません。しかし、もっと根本的な原因があります。それは、悪徳の航空会社を選んでしまったということです。

つまり、詐欺の航空会社です。「こちらの666便に乗れば『幸福』に到着します」と騙して、多くの乗客を乗せます。しかし、到着したら「不幸」の地であったということです。そこが「不幸」に地であることに気づかずに、そこで生活する人もいます。一方、そこが「不幸」の地であったことに気がついた人は、そこから逃れようと、再び旅客機に乗ろうとします。そして、今度こそ本当に「幸福」に向かいますと案内されて搭乗します。それでも、到着した場所は「不幸」です。

身近な喩えで表現すれば「日本からハワイ行きの旅客機に搭乗したはずなのに、シベリアに到着してしまった。さらにそこで奴隷となり強制労働をさせられることになった。」となるでしょう。

このような話は、いくら喩え話でも荒唐無稽で、無意味であり得ない話に思えるかも知れません。

しかし、このような状況が私たちの人生に蔓延っているのではないでしょうか。あり得るはずがないことが起こっているので、「矛盾している」のです。

それは、人間が正しい航空会社と契約する方法を知らないため、知らないうちに悪徳の航空会社を選んでしまい、多くの人が繰り返し不幸に陥っている。そして、ほとんどの人は不幸を不幸と思わず、ごく普通のことのように感じている。つまり、本当の幸福を知らない。そんな風にも思えます。

ところで、その悪徳の航空会社の正体は何でしょうか。それは、サタン(悪魔)(※)の運営する組織です。サタンは、すべての人間を知らない間に契約させ、思うままに人間を不幸に導いているのです。そして、多くの人間はサタンと契約しているということも気がつかないでいるのです。

※日本語の「悪魔」または「魔」のことを、キリスト教では「サタン」、イスラム教では「シャイターン」、仏教では「悪神」、西洋文化では「デーモン」と呼ばれます。

人類始祖がサタンに騙された

それでは、サタンとの契約とはどのようなものなのでしょうか。それとは正反対の神との契約というものがあるのでしょうか。

聖書の中に、失楽園の物語があります。アダムとエバは「神との契約条件」を守らず、サタンの航空会社を選び契約してしまったのです。つまり、蛇に「幸福になる」と騙されて、善悪知る木の実を食べてしまったのです。それが、導火線となり、今や収拾がつかなくなるほど、悪や不幸が蔓延ってしまいました。

アダムとエバが、「今後、私から産み、増える人類は、すべてあなたの会社と契約します。」と言ってサタンの会社と契約を交わしてしまったのです。つまり、アダムとエバの血統を持つ人類すべては、無条件にサタンの会社と契約してしまっているということです。そして、現代人の多くはこの人類始祖の契約を知らないのです。

新たなる希望

人間が、本来の目的地「幸福」に到着するためには、この契約を解除し、神の会社と契約する必要があります。そのためには、仲介者、すなわち救世主(メシヤ)が必要です。人間はメシヤと通してのみ、サタンの会社との契約を解除し、神の会社と契約できるのです。そのチャンスが、約2000年前にありました。イエスがメシヤとして降臨されたのです。

しかし、ユダヤ民族はイエスをメシヤであることを理解できず、殺害してしまいました。そのため、イエスはその使命のすべてを果たすことができませんでした。そのため、再びメシヤを遣わすと神は約束(新約)されました。

サタンの会社との契約を解除できる時期を「終末」と呼びます。そして、聖書を紐解くと今の時代が再び「終末」のチャンスを迎えていることがわかります。そして、神の会社と契約することができるため「成約の時代」とよばれています。もはや、悪徳の会社に騙されることなく、「幸福」に向かう旅客機に搭乗することができる時代になったのです。