聖書と歴史の学習館

霊界と霊魂の存在死後の世界はあるのか

霊界とは、死後の世界のことです。霊界や霊魂は科学的に実証するすべがなく、肉眼では見えない不可視な存在であるため、多くの人にとって信じ難いことでしょう。現在のところ、霊魂や霊界の存在は、死んでみないとわからないのです。

しかし、私たちは「人間が死んでも、霊魂は滅びずに、霊界(あの世)で永遠に生きる」といいます。また、先祖や霊人と交流した体験を持つ方もおられます。さらには、霊界を認識したり、悟っている方もおられるようです。ここでは、霊界や霊魂の存在を悟るためのヒントをいくつかの観点から考えてみます。

01/05

人間のエネルギー源と霊魂の存在

ジェット機は灯油(ケロシン)で飛びます。車やオートバイはガソリンで動きます。携帯電話は電力(バッテリー)で動作します。このように、何かが動くためには、燃料や電力などのエネルギーが必要です。

私たち人間をはじめ、動植物は動きまわったり、成長したりします。そのエネルギー源は何でしょうか。ガソリンや電力ではありません。動植物のエネルギー源は「ブドウ糖」とよばれる物質です。

ブドウ糖は、植物の光合成によってつくられます。そして、ブドウ糖が集合して、デンプンとして植物体内に貯蔵されます。デンプンは、私たち人間の主食であるコメやムギ、トウモロコシなどの主成分です。ジャガイモやサツマイモなどにも、多くのデンプンが含まれています。つまり、私たちは、食物を通じてデンプンを摂取し、そこからブドウ糖を取り出し、エネルギー源として使っているのです。デンプンは「生命のバッテリー(電池)」といえるでしょう。

ジェット機や車、携帯電話などは、エネルギー(灯油やガソリンやバッテリーなど)を使い果たすと停止してしまいます。では、人間はどうでしょうか。死んでも体内にはエネルギー源のブドウ糖は、まだ残っています。エネルギーが残っているのに動かなくなります。死人に点滴でブドウ糖を注入しても生き返りません。人間はブドウ糖などの物質的なエネルギーだけで生きているのではないのです。何かもう一つの肉眼では見えない精神的なエネルギーのようなものがあって生きていると考えられないでしょうか。そして、精神的なエネルギーが抜けたときが、肉体的な死といえるのはないでしょうか。

このような観点からすると、人間は、物質的なエネルギーと精神的なエネルギーの両方が揃って、生きることができるようです。そして、人間が死ぬと同時に、精神的なエネルギーが抜けるため動かなくなると考えられます。精神的なエネルギーが「霊魂」に相当するものだと考えられます。

※人間が生きていくうえで必要な栄養素は、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルがあり、「5大栄養素」と呼ばれています。このうち、炭水化物は「糖質」ともいわれ、でんぷん(ブドウ糖)がその一つです。


02/05

科学者たちの霊の研究

19世紀後半、イギリスでは一流の科学者たち(※)が、心霊現象(はたして霊は存在するのか)を熱心に研究していました。そして、著名な科学者たちが、「霊は存在する」という結論を出したのです。特にイギリスが世界に誇る科学者ウイリアム・クルックスが霊の存在を肯定したことは、当時の人々を驚かせました。

※アルフレッド・ウォレス(生物学者/1923-1913)、ウィリアム・バレット(物理学者/1844-1925)、オリバー・ロッジ(物理学者/1851-1940)、ウィリアム・クルックス(物理学者/1832-1919)など

アインシュタインの写真

アインシュタイン
(1879 - 1955)

20世紀最大の理論物理学者といわれるアインシュタインは、何の疑いもなく、「霊の世界」を信じていたようです。彼は次のように語っています。

「私たちのいる地上を去っていった者たち(死者)は、私たちから遠く離れているのではない。ただ私たちとは異なった周波数帯において存在しているだけである。」

アインシュタインは、理論の中でいくつかの目に見えない存在を予言しています。しかし、当時の科学技術では検証することができず、後の時代に実験や観測により実証されています。例えば、「重力波」と呼ばれる物理的現象は、1916年に予言され、ちょうど100年を経た2016年2月にようやく検出に成功しました。霊界の存在も科学的に実証できる時代が到来するかも知れません。


03/05

名探偵ホームズと心霊・霊界

コナン・ドイルの写真

コナン・ドイル
(1859 - 1930)

名探偵ホームズの生みの親であるコナン・ドイルが生きた時代は、イギリスで心霊ブームが起きていました。それに便乗して、マジック(手品)で心霊現象らしきことを見せる人も少なくありませんでした。そのような偽りの心霊現象の多くは、暴かれるか、後に本人が嘘であることを告白しています。しかし、論理的に説明できない心霊現象も多く残っていました。

コナン・ドイルは、死後の世界や心霊や魂は論理的にあり得ないと考えていました。「ローソクは燃え尽きると消える。電池を壊せば電流は止まる。物体がなくなれば存在も終わる、だから私は人間が死んだあとも魂が生き続けるというのは納得できない。」と彼は語っています。そして、34歳のときに、心霊現象のトリックを解明すべく、心霊現象研究協会(※)に入会。膨大な資料を入手して、自分自身で研究を始めます。しかし、いくら研究を進めても、トリックを見つけることができませんでした。逆に、知れば知るほど、論理的には説明できない現象が世界各地で起きていることを知り、心霊を否定できなくなっていきます。

61歳になると、コナン・ドイルは、死後の世界(霊界)を語る講演旅行に力を注ぎ、死者は霊界で生きていることを人々に主張しました。そして、残された人生を心霊の研究や啓蒙活動に捧げることに決意したことを語りました。

※心霊現象研究協会(SPR)…心霊現象や超常現象の真相を究明するための科学的研究を促進するための団体。1882年にケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ内で心霊主義に関心のあった三人の学寮長によって設立された世界初の本格的な心霊研究機関(wikipediaより)。


04/05

可視的な存在と不可視な存在

この世界には、不可視的存在(肉眼では見えない存在)と可視的存在(目に見える存在)があります。例えば、人間には、目に見えない「心(精神)」があり、目に見える「体(肉体)」があります。植物や動物を見ても、目に見えない「本能」があり、目に見える「体」があります。物質の世界を見ても、目に見えない「性質」の部分があり、固体や液体、気体など目に見える「形」に相当する部分があります。

このような観点から、目に見えない世界(霊界/霊魂)と目に見える世界(この世)が存在するとみなすことは、ごく自然な考え方ではないでしょうか。


05/05

臨死体験者の報告

死後の世界の有無については、実証するすべがないため、「死後の世界は無い(信じない)」、「死んだらすべてが終わり」という人が多くいます。しかし、一方では臨死体験をした人の報告が数多くあります。ある人は医師が死を宣告したのちに、再びこの世に戻ってきたと言います。その間は、意識がはっきりとしていて、既に亡くなった親族に会ったというのです。死後の世界を垣間見てきたと思われます。また、遠くで親しい人が亡くなったとき、夢枕に現れたという報告も数多くあります。

これらが真実であれば、人間は死んでも霊魂は存在し、霊魂は霊界(死後の世界)に行くということがいえるのではないでしょうか。

column

臨死体験者の証言・1

私は完全に自由でどこへでも好きな所へ行けるのです。本当はそのままいたかったのですが、もとに戻らなくてはならないのだと思いました。神様が私に「戻りなさい」と言われたからです。ほんの一瞬の間、神様の恵みを肌で味わいました。

column

臨死体験者の証言・2

私はもう助からないと思われていました。そのときすでに亡くなった家族を見たような気がしました。そこは平和で、静かで、ものごとをじっくり考えさせ、反省させられるような雰囲気がありました。