聖書と歴史の学習館

世界大戦が起こる原因主権を奪われまいとするサタンの最後の発悪

終末期は、この世(被造世界)の所有権がサタンから神に復帰されるときです。このため、この世の主権を奪われまいとするサタンが最後の発悪を企てて世界大戦が起こります。人間自身の内部(精神)では、神側に所属しようとする本心と、サタンにコントロールされる邪心とが激しい葛藤を起こします。これが、個人から家庭、民族、国家へと拡大し、最終的には世界的スケール(世界大戦)となって現れるのです。

01/04

現在、被造世界の所有権はサタンにある

私たちがアパートやマンションなどの住宅を賃貸するとき、家賃という代価を支払うという条件で、期間を設けて契約します。契約期間中は、見かけ上、主人であるかのように所有し、規約のもとで自由に使うことができます。しかし、住宅の所有主はあくまでも、オーナー(大家さん)であり、入居者は永遠に所有することはできません。

サタンも「代価」を払い、まるで、被造世界の主人であるかのように、原理という規約のもとで、人間を含めた被造世界(万物)の所有権を持っています。しかし、この被造世界の所有主は、あくまでも、創造主である神のもので、サタンは永遠に所有することはできません。


02/04

サタンが払う代価とは

サタンが被造世界の所有権を持つための代価(条件)は、人間の過ちや不信仰、犯罪です。人間が過ちを犯した分、それが代価となって、所有権を持てるようになり、この世の主人・支配者であるかのように振る舞うことができるのです。人間が過ちを犯した場合、原理上、神は、サタンの所有権を認めざるを得ません。人間が過ちを犯し続けるので、サタンがこの世の主人になり続けているのです。逆に人間が過ちを犯さなくなるとサタンは代価を支払えなくなるので、この世の所有権を失います。

例えば、神は、ノアから400年後にアブラハムを遣わしました。しかし、アブラハムは献祭に失敗してしまいました。それが代価となり、その後、400年間はサタンが、神の民であるイスラエル民族を所有するようになりました。そして、エジプトで苦役を受けることになり、イスラエル民族は、400年もの間、サタンの支配下から逃れることはできませんでした。

Divine Principle

このアブラハムの過ちにより、その供え物をまたサタンにささげたことになったので、「象徴献祭」をもって、アブラハムを信仰の祖に立てるための蕩減期間であったノア以後の四〇〇年期間も、やはり、サタンに奪われることになったのである。

原理講論「復帰基台摂理時代」

400年間の時が満ちたとき、すなわち、契約期間が終わったとき、神はモーセが遣わし、エジプトの王ファラオに神の民を解放するように要求しました。「ファラオよ!我が民、イスラエル民族を解放せよ!民は私のものである。」しかし、サタンは、イスラエル民族に再び不信仰や過ちを犯させ、その代価で再び所有権を延長させました。このため、モーセはミディアン地方で40年間の荒野生活をするようになり、イスラエル民族の解放が40年先まで延長されました。


03/04

終末には、神とサタンの熾烈な戦いが起こる

このように、時が満ちる終末、すなわち、契約期間が終わるときには、人間を神が所有するか、サタンが所有するか、妥協することのできない、熾烈な所有権争いが起こります。このときに人間が責任を果たすか、過ちや不信を犯すかによって、所有権が神かサタンのどちらになるのかが決定するのです。

この所有権争いは、歴史上、さまざまなスケール・スパンで起こっています。例えば、イスラエル民族がエジプトから解放されるとき、民族はモーセに対し不信を犯したため、サタンが民を所有するようになり、エジプトからの解放を40年間待たなければならなくなりました。

また、メシヤ降臨という比較的長いスパンでみると、ヤコブが勝利してから、イスラエル民族にメシヤであるイエスが遣わされるまで約2000年間ありました。神はたった一人のメシヤ(イエス)を遣わすために歴史を導いてきました。しかし、イスラエル民族はイエスを信じることができず、十字架で殺害するという過ちを犯してしまいました。結果として、再臨のメシヤ(再臨主)までの2000年間は、サタンが所有権を継続して持てるようになりました。


04/04

現代は世界レベルでの戦いが起こる

所有権争いのスケールを見ると、モーセのときは、民族レベルでしたが、イエス以降は、国家レベル、世界レベルでこれが起こるようになります。

終末を迎えた現代は、世界レベルで再び所有権争いが起こります。神はサタンに要求します。「2000年間、お前が所有してきた人類を私のもとに返しなさい」。このときサタンは、人間になんとか過ちを犯させて、所有権を再び延長しようとします。人間をどちらが所有するか、目に見えない神とサタンの激しい闘いが始まるのです。

終末には、神霊により、人間の本心は、神側に所属すべく、善を追求するようになります。一方、サタンは人間の邪心をコントロールし、過ちを犯させようとします。両者は、激しく戦うようになり、それが、個人の中にも家庭にも、民族にも、国家にも起こり、そして、世界的スケールになって現れます。これが「主権を奪われまいとするサタンの最後の発悪」として起こる世界大戦です。

第二次世界大戦の終戦後、神の版図となったキリスト教を基盤とする自由主義世界と神を否定する共産主義世界とに二分しました。、1970年代まで、世界の共産化が急速に進みました。人類が共産主義を選択するという神に反逆する方向に進むと、再びサタンの所有権が延長します。そうなると、人類はサタンの所有となり、その支配下で、苦難の歴史が継続するようになるのです。

〔出典・参考〕
世界平和統一家庭連合「原理講論」/倉原克直氏「メシヤ再降臨準備時代」