エリヤ カルメル山でバアル神との対決

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エリヤの対決

エリヤが再びアハブ王に現れる

エリヤが奇跡をもって、干ばつを起こしてから3年目、人々は飢饉に苦しんでいました。神はついにエリヤをアハブ王のもとに引き返させました。そして、エリヤはアハブに対し、バアル神と主なる神(=イスラエルの神)と、どちらが本当の神か決めるため、カルメル山にバアルの預言者450人を集めるよう求めました。

アハブはエリヤを見ると、「お前か、イスラエルを煩わす者よ」と言った。エリヤは言った。「わたしではなく、主の戒めを捨て、バアルに従っているあなたとあなたの父の家こそ、イスラエルを煩わしている。今イスラエルのすべての人々を、イゼベルの食卓に着く四百五十人のバアルの預言者、四百人のアシェラの預言者と共に、カルメル山に集め、わたしの前に出そろうように使いを送っていただきたい。」
アハブはイスラエルのすべての人々に使いを送り、預言者たちをカルメル山に集めた。

旧約聖書/列王記上18章17節~20節(新共同訳)


対決のルール

対決は、イスラエルの神の預言者エリヤ(1人)とバアル神の預言者(450人)たちの間で行われました。まず、それぞれの神に1頭ずつ雄牛を献げ物として準備し、薪を集めて、裂いて祭壇に供えます。そして、火を使わずに、祈りで火を付けた預言者の神が本当の神であるというルールです。

エリヤは更に民に向かって言った。「わたしはただ一人、主の預言者として残った。バアルの預言者は四百五十人もいる。
我々に二頭の雄牛を用意してもらいたい。彼らに一頭の雄牛を選ばせて、裂いて薪の上に載せ、火をつけずにおかせなさい。わたしも一頭の雄牛を同じようにして、薪の上に載せ、火をつけずにおく。そこであなたたちはあなたたちの神の名を呼び、わたしは主の御名を呼ぶことにしよう。火をもって答える神こそ神であるはずだ。」
民は皆、「それがいい」と答えた。

旧約聖書/列王記上18章22節~24節(新共同訳)


先手はバアル神の預言者/火は付かず

エリヤが順番を譲ったため、先手は、バアル神の預言者となりました。献げ物の雄牛を祭壇に準備し、祈り始めました。しかし、何の兆候もありません。そこで、バアルの預言者たちは、祭壇の周囲を跳び回り、バアルの名を叫びました。それでも、祭壇の薪には火は付きませんでした。ついには、バアル神の預言者たちは、狂ったようになり、刃物で自らの体を傷つけてまで応えてもらおうとしました。しかし、何の兆候もありませんでした。

半日が経過し、エリヤは言いました。「おまえたちの神は眠ってんじゃないのか?」

エリヤはバアルの預言者たちに言った。「あなたたちは大勢だから、まずあなたたちが一頭の雄牛を選んで準備し、あなたたちの神の名を呼びなさい。火をつけてはならない。」
彼らは与えられた雄牛を取って準備し、朝から真昼までバアルの名を呼び、「バアルよ、我々に答えてください」と祈った。しかし、声もなく答える者もなかった。彼らは築いた祭壇の周りを跳び回った。
真昼ごろ、エリヤは彼らを嘲って言った。「大声で呼ぶがいい。バアルは神なのだから。神は不満なのか、それとも人目を避けているのか、旅にでも出ているのか。恐らく眠っていて、起こしてもらわなければならないのだろう。」
彼らは大声を張り上げ、彼らのならわしに従って剣や槍で体を傷つけ、血を流すまでに至った。
真昼を過ぎても、彼らは狂ったように叫び続け、献げ物をささげる時刻になった。しかし、声もなく答える者もなく、何の兆候もなかった。

旧約聖書/列王記上18章25節~29節(新共同訳)


後手のエリヤ/天から火が降る

バアルの預言者たちが疲れ切って音を上げると、エリヤは主なる神(=イスラエルの神)の祭壇を修復しました。そして、周囲にいた民に頼んで4つの瓶に水を満たしました。そして、火をつけるはずの祭壇と薪に、瓶の水をかけました。

エリヤはすべての民に向かって、「わたしの近くに来なさい」と言った。すべての民が彼の近くに来ると、彼は壊された主の祭壇を修復した。
エリヤは、主がかつて、「あなたの名はイスラエルである」と告げられたヤコブの子孫の部族の数に従って、十二の石を取り、その石を用いて主の御名のために祭壇を築き、祭壇の周りに種二セアを入れることのできるほどの溝を掘った。
次に薪を並べ、雄牛を切り裂き、それを薪の上に載せ、「四つの瓶に水を満たして、いけにえと薪の上にその水を注げ」と命じた。彼が「もう一度」と言うと、彼らはもう一度そうした。彼が更に「三度目を」と言うと、彼らは三度同じようにした。水は祭壇の周りに流れ出し、溝にも満ちた。

旧約聖書/列王記上18章30節~35節(新共同訳)

エリヤは静かに主なる神に祈り始めました。するとすぐに天から火が降り、薪を燃やし、献げ物の雄牛を焼き尽くし、さらには石と塵も燃やしてしまいました。

エリヤの勝利

エリヤの勝利

献げ物をささげる時刻に、預言者エリヤは近くに来て言った。「アブラハム、イサク、イスラエルの神、主よ、あなたがイスラエルにおいて神であられること、またわたしがあなたの僕であって、これらすべてのことをあなたの御言葉によって行ったことが、今日明らかになりますように。
わたしに答えてください。主よ、わたしに答えてください。そうすればこの民は、主よ、あなたが神であり、彼らの心を元に返したのは、あなたであることを知るでしょう。」
すると、主の火が降って、焼き尽くす献げ物と薪、石、塵を焼き、溝にあった水をもなめ尽くした。
これを見たすべての民はひれ伏し、「主こそ神です。主こそ神です」と言った。

旧約聖書/列王記上18章36節~40節(新共同訳)

エリヤは民に、バアルの預言者を殺すよう命じ、民は喜んでエリヤに従い、キション川のほとりで、邪心バアルを崇拝する預言者450人は処刑されました。

そして、エリヤはアハブに、間もなく待望の雨が降ることを告げました。そして、アハブが宮殿に戻りる頃には、大雨が降り出し、3年も続いた干ばつは終わりました。


〔参考・引用〕
日本聖書教会「旧約聖書(新共同訳/口語訳)」/新日本聖書刊行会「新改訳聖書第三版」/創元社「聖書人物記」/日本文芸社「人物でよくわかる聖書(森実与子著)」/株式会社カンゼン「聖書の人々」/wikipedia/webio「世界宗教用語大事典」