天地創造はまだ終わっていない

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天地創造はまだ終わっていない

天地創造の最終プロセス

アダムの創造/システィーナ礼拝堂の天井画

神は天地を創造し、最後に人間(アダムとエバ)を創造されました。そして、神はアダムとエバに「善悪を知る木からは実を取って食べてはならない。」という命令(戒め)を与えました。

聖書を読むと天地創造はすべて終えたように解釈できます。しかしそれは、神が行うべき御業が終わっただけで、天地創造は完了していませんでした。最後の過程(プロセス)が残っていたのです。それは、人間(アダムとエバ)が、自ら成長して完成するということでした。

※さらには、アダムとエバが結婚して、子孫を増やすことでした。



天地創造は、神と人間のコラボレーション

神は善悪知る木の実だけは取って食べてはならないと命令された
The Garden of Eden(エデンの園)Lucas Cranach the Elder 1530
アルテ・マイスター絵画館

人間(アダムとエバ)が成長して完成するためには、神から与えられた「取って食べるな!」という命令(戒め)を、一定期間(大人に成長するまで)遵守する必要がありました。

しかし、人間(アダムとエバ)は神の命令に背き、人間が堕落してしまいました。人間は未完成のまま子孫を増やしてしまったのです。人間が神の命令を遵守していれば、天地創造の最後のプロセスである人間が完成して、神の創造の御業が完了するはずでした。天地創造は、まだ完了していないのです。

「アダムとエバ」 ルーカス・クラナッハ 1538 - 1539
プラハ国立美術館

このように、神の命令に従って人間が自らが自らの責任で完成することは、天地創造の最終ステージでした。つまり、天地創造は神による人間以外の万物の創造(宇宙や地球環境、動植物の創造)のみでなく、人間にも責任分担があり、いわば「神と人間のコラボレーション」により完成するはずだったのです。

神は絶対的な方でおられますから、当初の理想である天地創造を中止されることはありません。人間を堕落(※)から救出し、本来の人間として完成させる摂理(救いの摂理)が今も続いているのです。いわば、壊れてしまった人間を修復している「人間の再創造」段階です。

※堕落とは、いわば人間が壊れている状態(神が意図していない状態)のことです。その壊れた人間をもとの状態に戻すことを「復帰」と言います。神の人類救済の摂理は、人間を復帰し、未完成の人間を神が意図されるとおりに完成させることといえます。


神は堕落した人間を条件なしでは救えない

堕落した人間を別の観点からみれば、サタン(※)が支配できる人間になってしまったということです。サタンが人間始祖をそそのかして、善悪知る木の実を食べさせたから(悪なる性関係・血縁関係を結んだから)です。その結果、サタンが人間を支配(コントロール)できる条件をつくってしまったのです。人間は神を無視し、サタンが意図する行動をするようになってしまったのです。

※サタン=聖書の失楽園の物語の中では「へび」と表現されています。

このように、人間の堕落により、神は人間の支配権を失い、サタンが人間を支配するようになってしまいました。人間が神の指示する(意図する行為)をしないで、サタンの指示する(意図する)行為をするため、神が人間の所有権を主張できず、サタンが人間の所有権(サタンが人間の主人であることを)を主張しながら支配しているのです。人間自らが、「人間の主人は神であること」を証明できる行為をすることにより、証拠を示さない限りは、神は救いの手を伸ばすことができないという天の論理(原理)(※)があるからです。

神が主人であることを証明する行為の第一歩が、神に供え物をすること。「象徴献祭」と呼ばれるものです。

※池で溺れている人を助けようと、陸にいる人が手を伸ばしても、溺れている本人が手を伸ばさない限りは、助けることができません。象徴献祭は、溺れている人が、助けてもらうために手を伸ばす行為に喩えられます。


〔参考・引用〕
日本聖書教会「旧約聖書(新共同訳/口語訳)」/新日本聖書刊行会「新改訳聖書第三版」/