ヨハネ 大ヤコブの弟/ゼベダイの子 イエスの12弟子・12使徒

ヨハネ (大ヤコブの弟/ゼベダイの子)

ヨハネ(ゼベダイの子のヨハネ/大ヤコブの弟)

ヨハネは、イエスの活動の最初期から従っていた12使徒のひとり。もともと洗礼者ヨハネの弟子をしていた人物です。兄の大ヤコブと同様気性が激しく、この兄弟はイエスに「雷の子」とあだ名されています。ペトロ、兄の大ヤコブとともに特に地位の高い弟子とされており、イエスに最も愛された弟子ともいわれています。ゲッセマネにおけるイエス最後の祈りでは、彼ら3人(ペトロ、大ヤコブ、ヨハネ)だけが伴われました。

Hl.Johannes Evangelist 聖ヨハネ

イエスに最も愛された弟子

ヨハネは、ゼベダイの子で大ヤコブの弟。12弟子たちのなかでは最年少で、イエスが生きていた当時はまだ10代でした。そのため、イエスが最も愛した弟子だといわれています。

レオナルド・ダ・ヴィンチの名画「最後の晩餐」では、イエスのすぐ横に座っており、女性のような優しい表情で描かれています。「ヨハネによる福音書」には、その席上で、イスカリオテのユダが自分を裏切ると、ヨハネだけにこっそり教えたとの記述もあります。

ヨハネは兄の大ヤコブと同じく、イエスが栄光の姿へ変容したときや、イエスがヤイロの娘を生き返らせたときなど、重要な場面に立ち会っています。そして、イエスの処刑時には、十字架の近くで、ヨハネはイエスの母マリアとともに立っていました。そのとき、イエスは母マリアに「あなたの子です」と紹介し、ヨハネには、「あなたの母です」と紹介しました。イエスに母マリアの世話を頼まれたヨハネは、その後、マリアとともにエフェソ(現在のトルコ領)に移り住みます。このことは、ヨハネの最大の栄誉といわれています。

ヨハネは大ヤコブと同様、気性が荒く、雷の子といわれながらも、イエスに愛され、最後まで、イエスにつきしたがいました。そして、逮捕直前のゲッセマネの園、そして十字架の処刑時にも、その傍らにいました。

ヨハネは、イエスの愛を実感しており、ヨハネの福音書のなかで自らを、「イエスが愛された弟子」と記しています。

※逮捕されたイエスを追いかけ、裁判で有罪判決を受けるのを見守ったのは、ヨハネとペトロだけでした。また、イエスの墓が空だということを知った際には、ヨハネとペトロはイエスの墓に走って向かいました。そして、ヨハネの方が早く着きましたが、墓に入る際には、ペテロに先を譲りました。


流刑されたパトモス島で黙示録を著す

ヨハネは、新約聖書の「ヨハネによる福音書」の著者とされています。紀元90年ころに書かれ、他の3つの福音書に比べて、より神秘的な内容になっています。伝承ではなく、ヨハネが見聞したイエスのエピソードが、独自の解釈で描かれています。

イエスの昇天後、ヨハネはアジアで布教活動を行います。しかし、ローマ皇帝ドミティアヌスによるキリスト教徒迫害が激化し、ヨハネは捕らえられてパトモス島に流されてしまいます。島での滞在中、ヨハネは、さまざまな幻を見ます。それを記録したのが「ヨハネの黙示録」です。「ヨハネの黙示録」は「新約聖書」の最後を飾っています。

ヨハネがバトモス島から釈放され、エフェソに戻ってからは、「ヨハネによる福音書」と「ヨハネの手紙1」「ヨハネの手紙2」「ヨハネの手紙3」を著します。

ヨハネは、紀元100年頃、90歳くらいで天寿を全うします。12使徒のなかで、最も長生きし、唯一、殉教ではなかったと伝えられています。


〔参考・引用〕
創元社「聖書人物記」/日本文芸社「人物でよくわかる聖書(森実与子著)」/株式会社カンゼン「聖書の人々」/wikipedia/webio「世界宗教用語大事典」