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社会主義・共産主義国家の出現数20世紀後半、社会主義・共産化に向う国が続出

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社会主義・共産主義国家の出現数

社会主義・共産主義国家の出現数のグラフ

20世紀後半、社会主義・共産化に向う国が続出

社会主義・共産主義革命は、資本主義制度を廃止して、社会主義国家の建国をめざす革命です。第二次世界大戦の終戦(1945年)前後から1980年代にかけての約40年間、世界各地で革命が起こり、多くの社会主義・共産主義国家が成立。約40カ国が社会主義・共産主義を掲げました。なお、共産主義は社会主義に分類され、社会主義が極度に発展したものとされています。

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革命に伴う粛清

革命に伴う粛清の写真

 

革命とは、簡単にいえば、社会のしくみを強引にリセットすることです。共産主義・社会主義革命が行われると、それに反対する勢力は粛清されます。特に共産主義に反対する政治家、学者、作家、芸術家などは粛清されてきました。当然のように、数十万人から数千万人規模での虐殺が行われてきました。フランスの有名な雑誌「ル・フィガロ」は、「知られている共産主義の犠牲者だけでも、1億5000万人を上回るだろう(1978年11月18日)」と発表しました。第二次世界大戦時における犠牲者数(推計6000万人)をはるかに凌ぐ数となっています。

(写真は、中国「文化大革命」での反対派の粛清/虐殺)

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共産主義による神の否定

1841年、ドイツの哲学者フォイエルバッハは「神は人間が造り出したものである(※)」と宜言。存在していないものを造り出して拝んでいる人間は愚かであると主張しました。さらに1886年、ドイツの哲学者二ーチェは「神は死んだ」と宣言しました。このような哲学から、共産主義という無神論に基づいた政治哲学が誕生しました。

※論文「キリスト教の本質」

1917年以降、共産主義の宗主国といわれるソ連の勃興により、神を排除する運動が本格的になりました。共産主義者たちは、科学は共産主義の友であるという信念のもと、科学万能を叫び「実験で碓認されない神は存在しない、ゆえに宇宙の根本は物質のみ。宗教は人民のアヘンである」という唯物思想を主張。共産主義者たちは、近い将来、科学の力をもって神や宗教、神話を地上から追放できると固く信じていたのです。

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共産主義と民主主義

共産主義はもともと経済を中心とする思想であり、民主主義は政治体制なので、その視点で見れば対立する概念ではありません。経済的な視点でみれば、資本主義と対立します。

しかし、国家の有権者は誰かという視点でみた場合、しばしば民主主義と対比されます。共産主義は、革命で政権を倒した後、独裁政権となり、選挙を行わず、国民には参政権がありません。一方、民主主義は、国民全てが有権者で、意思決定は選挙などの国民の合意によって行なわれます。このような理由で、共産主義と民主主義は対立する概念として考えられることが多いようです。

〔出典・参考〕
わかりやすく簡単に解説するサイト「共産主義、社会主義、左翼とは?」/ワシントンタイムズ会長 朴普煕氏「日本の青年たちよ、行け、そして世界を救え」