アブラハム カナンへ

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アブラハム カナンへ

ウルからハランへ

Abraham's Journey from Ur to Canaan/カナンへの旅立ち<br />József Molnár(1850年製作)ハンガリー国立美術館

Abraham's Journey from Ur to Canaan/カナンへの旅立ち
József Molnár(1850年製作)ハンガリー国立美術館

アブラム(のちにアブラハム)は、カルデアのウル(※1)の裕福な家で生まれ育ちました。アブラムの父は偶像商のテラ。偶像を造り、それを市場で売っていました。

テラはカナン(※2)に移り住むことにしました。テラは、家族を連れウルを出発しましたが、途中のメソポタミアのハラン地方、ユーフラテス川のほとりに住み着みつくことになりました。テラは205歳となり、ハランで一生を終えました。

アブラハムの行程 - ウルからハランへ

テラは、息子のアブラムと、ハランの息子で彼の孫のロト、および息子アブラムの妻で嫁のサライ(※3)を連れて、カルデアのウルを出発し、カナンの地に向かった。彼らはハランまで来ると、そこに住み着いた。テラは二百五年の生涯を終えて、ハランで死んだ。

旧約聖書/創世記11章31節~32節

※1:カルデやのウル=文明が発祥したメソポタミア地方南部(現在のイラク南部)の古代都市ウルとされています。

※2:カナン=ヨルダン川西岸。現在のパレスチナ

※3:アブラムの妻サライは、アブラムの異母妹です。


ハランから約束の地「カナン」へ

ハランでは、アブラムは、牧羊を営む民を率いる族長となりました。父テラの死後、突然、神(ヤハウェ)の声を聞き、カナンの地(現在のパレスチナ)へ行くことを命ぜられました。

アブラハムは、妻サライ、甥ロト、およびハランで加えた人々とともに約束の地カナンへ向けて旅立ちました。アブラムが75歳の時のことでした。

ヤハウェはアブラムに言われた。「あなたは生まれ故郷、父の家を離れて、わたしが示す地に行きなさい。わたしはあなたを大いなる国民の祖父としよう。あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。祝福の基となりなさい。あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたを呪う者をわたしは呪う。大地のあらゆる種族は、あなたの名によって祝福し合うであろう。」
アブラムは、ヤハウェの言葉に従って旅立った。ロトも共に行った。ハランを出発したとき、アブラムは七十五歳であった。

旧約聖書/創世記12章1節~4節

アブラムが、一族とともにカナン(シケム)(※1)にたどり着くと、神(ヤハウェ)は「この地をあなたの子孫に与える」と約束しました。そして、アブラムは、シケムに祭壇(※2)を築きました。

※1:シケム(エルサレムの北方約50km)

※2:神に供物や犠牲をささげる台。石で造られた石壇や石積壇、土を盛りあげて造った土壇などがあります。祭壇は、供物を介して神と人とのつながりの場と言われています。

アブラムは妻のサライ、甥のロトを連れ、彼らが得たすべての財産を携え、ハランで加わった人々と共にカナンの地へ向かって出発した。こうして彼らは、カナン地方に入った。
アブラムはその地を通り、シケムの聖所、モレの樫の木(テレビンの木)のところまで来た。当時、その地方にはカナン人が住んでいた。
ヤハウェはアブラムに現れて言われた。
「あなたの子孫に私はこの地を与える。」
アブラムは、自分に現れてくださったヤハウェのために、そこに祭壇を築いた。

旧約聖書/創世記12章5節~7節


ベテルとアイの間へ、さらにネゲブへ

その後、アブラハム一行は、さらに南下してベテルの東の山(ベテルとアイの間)に移り住み、ここに第2の祭壇を築きました。

さらに、アブラハムはネゲブ(※)に移りました。

※カナン南部の高原性乾燥地帯

アブラムは、そこからベテルの東の山の方へ移り、天幕を張った。そこは、西にベテル、東にアイを望む所であった。そこにもヤハウェのために祭壇を築き、ヤハウェの御名によって祈った。それから、アブラムはなおも進んで、ゲネブの方へと旅を続けた。

旧約聖書/創世記12章8節~9節

※ベテルの東の山(ベテルとアイの間)…エルサレムの北方約20km。べテルはへブル語で「神の家」という意味で、アイは「廃墟」という意味。


エジプトへ避難、そしてカナンへ帰還

その後、ネゲブ地方に飢饉が襲ったため、アブラハム一行はエジプトへ避難しました。そして、アブラハムが、エジプトからカナン(ベテルとアイの間)に戻ったとき、再び神(ヤハウェ)の声を聞きます。ヤハウェは「この地をあなたの子孫に永遠に与える」と約束されたのです。

ロトがアブラムと別れて後、ヤハウェはアブラムに言われた「さあ、目をあげてあなたのいる所から北と南、東と西を見渡しなさい。わたしは、あなたが見渡しているすべての地を、永久にあなたとあなたの子孫に与えよう。わたしはあなたの子孫を地のちりのように多くします。もし人が地のちりを数えることができるなら、あなたの子孫も数えられることができましょう。あなたは立って、その地を縦と横に行き巡りなさい。わたしはその地をあなたに与えます」。

旧約聖書/創世記13章14節~17節


アブラハムが歩んだ路程マップ

その後、アブラハムはヘブロンにあるマムレのテレビンの木のかたわらに住み、そこに祭壇を築きました。

アブラハムが歩んだ路程(旧約聖書・創世記第12章~第13章)は次の地図のとおりです。

アブラハムが歩んだカナン地方の路程マップ

アブラハムが歩んだカナン地方の路程マップ



〔参考・引用〕
日本聖書教会「旧約聖書(新共同訳/口語訳)」/新日本聖書刊行会「新改訳聖書第三版」/岩波書店「旧約聖書I 創世記」/wikipedia「アブラハム」