神とアブラハムとの契約

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神とアブラハムとの契約

アブラハムとの契約

アブラムは75歳のとき、ハランをハランを出発し、カナンに向かいました。その間、神ヤハウェはアブラハムを祝福し、広大なカナンの地を与えること、子孫を大いに増やすことを幾度となく告げられます。しかし、アブラムが99歳になっても、子を授かることはありませんでした。

アブラムが諦めかけていたある日、神が顕れて、「アブラムよ、心配することはない。わたしがおまえを守り、大いに祝福してやろう。」とアブラムに告げます。

するとアブラムは「神よ、私に何をくださろうというのです。私に息子がないのはご存じでしょう。それでは、どんなに祝福していただいても、何の役にも立ちません。息子がいないので、下僕の息子が私を継ぐことになります。」と少々お怒り気味(?)の様子です。

すると神はアブラムを外に連れ出して、次のように言われました。

ヤハウェは彼を外に連れ出して言われた。「天を見上げて、星を数えることができるなら、数えてみなさい。」そして言われた。「あなたの子孫はこのように(多く)なる。」アブラムはヤハウェを信じた。ヤハウェはそれを彼の義と認められた。

旧約聖書/創世記15章5節~6節

あなたの子孫は星の数のように多くなる

あなたの子孫は星の数のように多くなる

アブラムが九十九歳になったとき、ヤハウェはアブラムに現れて言われた。「わたしはエル・シャダイ(全能の神)である。あなたはわたしに従って歩み、全き者となりなさい。わたしは、わが契約をわたしとあなたとの間に置き、あなた(の子孫)を限りなく増やそう。」
アブラムはひれ伏した。神は更に、語りかけて言われた。「これがあなたと結ぶわたしの契約である。あなたは多くの国民の父となる。あなたは、もはやアブラムではなく、アブラハムと名乗りなさい。あなたを多くの国民の父とするからである。
わたしは、あなたをますます繁栄させ、諸国民の父とする。王となる者たちがあなたから出るであろう。わたしは、あなたとの間に、また後に続く子孫との間に契約を立て、それを永遠の契約とする。そして、あなたとあなたの子孫の神となる。わたしは、あなたが滞在しているこのカナンのすべての土地を、あなたとその子孫に、永久の所有地として与えよう。わたしは彼らの神となろう。」

旧約聖書/創世記17章1節~8節

アブラムは、アブラハムに改名するよう、神に命じられます。さらに、妻サライもサラに改名するように命じられました。その後、サラは男の子を生み、イサクと名づけられました。

イサクの誕生

イサクの誕生

神はアブラハムに言われた。「あなたの妻サライは、名前をサライではなく、サラと呼びなさい。わたしは彼女を祝福し、彼女によってあなたに男の子を与えよう。わたしは彼女を祝福し、諸国民の母とする。諸民族の王となる者たちが彼女から出る。」

旧約聖書/創世記17章15節~16節
©日本聖書協会/旧約聖書 新共同訳

神は言われた。「いや、あなたの妻サラがあなたとの間に男の子を産む。その子をイサク(彼は笑う)と名付けなさい。わたしは彼と契約を立て、彼の子孫のために永遠の契約とする。

旧約聖書/創世記17章19節
©日本聖書協会/旧約聖書 新共同訳


パレスチナ問題

神とアブラハムの契約のとおりに、アブラハムの子孫は繁栄し、紀元前1095年には、国ができるまでになりました。ヘブライ王国の頃に全盛をきわめましたが、ソロモン王(※1)の死後、内紛が起こりイスラエル王国(北イスラエル)とユダ王国(南ユダ)に分裂してしまいました(紀元前975年)

分裂後、イスラエル王国はメソポタミアのアッシリアに滅ぼされ(紀元前722年)、ユダ王国もメソポタミアのバビロニアに滅ぼされます(バビロン捕囚/紀元前588年)

その後も国家を再建しますが、ローマ軍によって完全に都市を破壊され(紀元後70年頃)、ユダヤ人は追放され世界中に散っていきました(※)

※これを「ディアスポラ(離散)」といいます。

そして、ユダヤ人は、1900年近くに及ぶ流浪と迫害の末、1948年5月14日、パレスチナ(カナン)に地に、悲願のユダヤ人国家「イスラエル」ができました。しかし、そのことが理由で、現在も解決していない「パレスチナ問題」が生じてしまいました。

パレスチナ問題は、端的に言えば「アラブ人とユダヤ人との間の領土問題」ですが、現実には世界各国を巻き込んでいる国際紛争です。ユダヤ人にとっては、パレスチナ(カナン)は「神との契約の地」。パレスチナ問題の根底には「神とアブラハムとの契約」があると言われています。



〔参考・引用〕
日本聖書教会「旧約聖書(新共同訳/口語訳)」/新日本聖書刊行会「新改訳聖書第三版」/岩波書店「旧約聖書I 創世記」/wikipedia「アブラハム」/Biblica